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特定社会保険労務士ブログ

「妊娠で退職扱い」無効判決

朝日新聞からです。
 
東京都多摩市の測量会社で働いていた女性(31)の妊娠中の退職が「自由な意思」に基づいていないとして、東京地裁立川支部が退職を無効とする判決を出した。1月31日付。原告の女性の代理人弁護士によると、2014年に最高裁判決が示した「妊娠が理由の降格は原則違法」との基準を、退職に適用した初の判決という。
判決などによると、女性は15年1月に妊娠がわかり、「業務の継続は難しい」と、派遣会社を紹介され、別の勤務先へ派遣されることになった。女性は元の職場の測量会社を退職したという認識はなく、勤務先の変更を申し入れたところ、「退職扱いになっている」と通告されたという。
 
記事中の2014年最高裁判決というのは、広島中央保健生活協同組合事件のことです。

縫製業の工賃、国が実態調査

朝日新聞からです。
 
経済産業省が今月にも、縫製業界の工賃について実態調査に乗り出す。業界で働く外国人技能実習生をめぐり、最低賃金法違反や違法な長時間労働が相次いでいるためだ。法令違反の背景に、発注元の不当な工賃の切り下げ要求がないか調べる。年度内に結果をとりまとめたい考えだ。
全国約1万のアパレル業者と縫製業者を対象に、アンケートを実施。縫製業者に作業を発注するアパレル業者が、工賃単価の切り下げを一方的に求めていないか調べる。岐阜県や愛知県など東海地方を中心に、20程度の業者に聞き取り調査もする。
経産省は元請けと下請けが協議したうえで取引対価を決めるよう求めており、要請通りに協議されているかも調べる。最低賃金の引き上げが工賃に反映されているかも尋ねる。経産省中部経済産業局の担当者は「違反した業者の言い分として十分な賃金を支払うだけの工賃がないという声もある」と話す。

時間外労働規制に関する意識調査結果

日本商工会議所は1日、「時間外労働規制に関する意識調査結果」を発表しています。
それによると、時間外労働を可能とする36協定を締結している企業のうち、限度時間を超えて時間外労働を可とする特別条項については、約半数が「有り」と回答。
また、36協定の見直しについては、約半数の企業で見直しに「賛成」53.8%と回答しており、その理由として「一定の上限規制は必要だが、業種業態・企業規模等を考慮し、一律に規制するのではなく、柔軟な制度設計とすべき」と回答した割合が最も多い結果となっています。

HIS違法残業

2/1付朝日新聞からです。
 
旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)が2015年度に東京都内の2店舗の社員2人に対し、月100時間を超える違法な時間外労働をさせていたことが分かった。厚生労働省東京労働局が昨年夏、労働基準法違反の疑いで同社を強制捜査し、法人としての同社と関係者を書類送検する方向で捜査を進めている。
HISによると、2店舗で15年度、営業担当の社員2人にそれぞれ、最大で月110時間と月135時間の残業をさせていたという。労使で決めた時間外労働の上限を大きく超えており、東京労働局の「過重労働撲滅特別対策班」(かとく)が昨年3月、労働基準法違反の疑いがあるとして捜査。同7月には強制捜査に踏み切り、調べている。
HISによると、ほかの店舗でも過去に労基法違反で労働局から是正勧告を受けているという。同社は1日、「現状では労務管理上の違法状態は解消している」とのコメントを出した。

バイト病欠に「罰金」

これも呆れてしまうような事件です。31日付朝日新聞から。
 
コンビニエンスストアを展開するセブン―イレブン・ジャパンの東京都武蔵野市内の加盟店が1月、アルバイトの女子高校生(16)のバイト代から、かぜで2日欠勤したペナルティーとして、9350円を差し引いていた。
親会社の広報によると、加盟店は高校生側に「欠勤時に代わりに働くアルバイトをさがさなかったペナルティー」と説明。保護者の相談で発覚し、セブン―イレブン・ジャパンは「ペナルティーの理由が不適切で、減給の額も労働基準法に違反している」として、加盟店に高校生への謝罪と全額の返還を指示したという。
高校生は5日間(25時間)の勤務分として2万3375円を受け取るはずだったが、加盟店は2日間(10時間)分の欠勤があったとして、給与明細に「ペナルティ」と手書きし、9350円を差し引いた。
労働問題を手がける棗一郎弁護士は「労働契約は自らの労務を提供することで、他の人を配置するのは使用者の義務。罰金を科すことは労働基準法16条に違反する可能性がある」としている。
 
記事だとわかりづらいですが、高校生は時給935円で7日間(35時間)働くはずだったところ、欠勤したためバイト代は2日分を控除した5日(25時間)分となり、さらにそこから代役をさがさなかったペナルティーとして2日(10時間)分を減額、結局ダブル減額してしまったようです。
雇う側が労働法を知らないのは毎度のことですが、こうなると悪知恵だけは達者といった感じです。

ミスド店長過労死、4600万円賠償命令

30日付時事通信からです。
 
ドーナツチェーン「ミスタードーナツ」の男性店長(当時50)が死亡したのは長時間労働が原因だとして、遺族がフランチャイズ店を運営する「竹屋」(三重県四日市市)と経営陣を相手に約9,600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、津地裁であった。裁判長は業務と死亡の因果関係を認め、竹屋などに約4,600万円の支払いを命じた。
裁判長は、男性が死亡するまで半年間の時間外労働が月平均112時間に上ったと指摘。「極めて長時間の労働に従事していた」と認めた。
会社側は、男性が自分の勤務時間に裁量を持つ労働基準法上の管理監督者に該当すると主張。会社は労働時間を適正に把握する義務を負わないと訴えたが、岡田裁判長は「勤務実態を考慮すると、管理監督者に相応する待遇を受けていたとは言えない」と退けた。
判決によると、男性は1986年、竹屋に入社。2011年から津市の2店舗で店長を務めていた。12年5月、出勤のため車を運転中、致死性不整脈で死亡した。
竹屋の話「判決を真摯に受け止めている。今後については代理人弁護士と協議の上、対応する。」
 
 

がん対策に関する世論調査

内閣府は、がん対策に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とするために実施した世論調査の結果を公表しています。
それによると、現在の日本の社会は、がんの治療や検査のために2週間に一度程度病院に通う必要がある場合、働き続けられる環境だと思うかという質問について、「どちらかといえばそう思わない」と「そう思わない」と答えた者の割合が64.5%となっています。
また、働き続けることを難しくさせている最も大きな理由は何だと思うかという質問については、「代わりに仕事をする人がいない、またはいても頼みにくいから」と答えた者の割合が21.7%,「職場が休むことを許してくれるかどうかわからないから」と答えた者の割合が21.3%、「がんの治療・検査と仕事の両立が体力的に困難だから」と答えた者の割合が19.9%となっています。
両立に必要な取り組み(複数回答)については、「病気の治療や通院のために短時間勤務が活用できること」(52.6%)、「1時間単位の休暇や長期の休暇が取れるなど柔軟な休暇制度」(46.0%)が上位に挙げられています。

三菱電機、不起訴処分

28日付朝日新聞から続報です。 
 
労使協定で定めた上限を超える違法な長時間労働を入社1年目の男性(31)にさせたとして、労働基準法違反の疑いで書類送検された三菱電機(本社・東京)と労務管理を担当していた上司1人について、横浜地検は27日、いずれも不起訴処分(嫌疑不十分)とし、発表した。
捜査関係者などによると、立件には使用者が違法性を認識していたことの立証が必要だが、容疑を裏付けるだけの証拠がそろわなかったという。厚生労働省神奈川労働局が11日、書類送検していた。送検容疑は同社が2014年1月16日から2月15日までの間、神奈川県鎌倉市の情報技術総合研究所で働いていた研究職の男性に、労使で定めた残業時間の上限(月60時間)を超える月78時間の残業をさせたというもの。
男性は精神疾患で14年6月から休業し、昨年6月に解雇された。神奈川労働局は昨年11月、長時間労働が精神疾患の原因になったとして労災認定していた。男性は「社会にもっと労働時間への意識を高めて欲しいという思いがあった。非常に残念」と話した。
三菱電機は「書類送検に至った事実は真摯に受け止めている。全社をあげて総労働時間削減と適切な労働時間管理に取り組んでいく」とコメントを出した。