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特定社会保険労務士ブログ

平成28年度使用者による障害者虐待の状況等

厚生労働省は「平成28年度使用者による障害者虐待の状況等」を取りまとめ、結果を公表しています。
それによると、虐待が認められた事業所は581事業所で、前年度より1.7%減。
虐待が認められた障害者は972人で、同13.4%減となっています。

採用予定の医師にマタハラ

マタハラを行ったのは同性の部長だったという点が根本的解決の難しさを感じさせます。朝日新聞から。
 
大阪府立病院機構・大阪急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)で、採用予定の医師に対するマタニティー・ハラスメント(マタハラ)があったとして、センターが小児科の女性部長を厳重注意としていたことがわかった。5月31日付。センターは懲戒処分ではないことを理由に公表していない。
センターや関係者によると、女性医師は昨年末ごろに採用が内定し、今年4月から勤務予定だった。今年2月、妊娠がわかったと、部長にメールで伝えると、部長は「病院に全く貢献なく、産休・育休というのは周りのモチベーションを落とすので、管理者としては困っている」と記し、「マタハラになるかもしれない」としつつ、「非常勤で働くのはどうでしょうか」と送り返したという。
センターは、部長のメールの内容は、男女雇用機会均等法で防がなければならないと定める妊娠、出産などを理由に不利益な扱いを示唆する言動で、いわゆるマタハラだったと認定。部長を厳重注意、監督責任のある病院長を所属長注意とした。女性医師はセンターで勤務しなかったという。センターによると、部長は自身の経験から「妊娠、出産の際に医師の勤務は過酷で、常勤ならば当直もしなければならない」として、非常勤を勧めたと説明したという。
センターは6月下旬、全職員を対象にハラスメント研修を実施した。担当者は「再発防止に向けて真剣に取り組んでいく」としている。
 

建設会社員自殺、遺族が労災申請

朝日新聞からです。
 
2020年東京五輪・パラリンピックの主会場、新国立競技場(東京都新宿区、渋谷区)の建設工事に従事していた建設会社の男性社員(当時23)が自殺したのは、違法な長時間労働が原因だったとして、男性の両親が東京労働局上野労働基準監督署に労災申請したことが20日わかった。
代理人弁護士が記者会見して明らかにした。申請は12日付。代理人によると、男性は、建設工事を受注した大成建設などの共同企業体(JV)の下請け会社に勤務。昨年12月から地盤を改良する工事の現場管理を担当していたが、今年3月2日に失踪し、4月15日に長野県内で自殺した状態で見つかった。
遺族側は、失踪前の1ヵ月間は211時間56分の時間外労働があったとして、違法な長時間労働による精神障害が自殺の原因だと主張している。会社側は朝日新聞の取材に、違法な長時間労働だったと認め、「真摯に受け止め、再発防止に努める」としている。
 

佐川急便、未払い賃金調査

ヤマトの未払い残業代については、18日に対象者に一斉に支給されたという報道がありましたが、今度は佐川急便です。朝日新聞から。
 
宅配便大手の佐川急便が、社員に賃金を適切に支払っていない可能性があるとして、社内調査を始めたことがわかった。すでに仙台市の営業所で未払いが判明し、いまは東京都内の営業所を調査中だ。対象人数と判明済みの未払い額は明らかにしていない。
同社によると、仙台市の仙台営業所では、10分間の朝礼を労働時間に含めていなかった。未払い分の賃金は支給手続きをしたという。ほかにも東京都内の千代田営業所で、集配を担当する社員に残業代未払いの疑いが判明し、6月上旬から調査を始めたという。同社は「全社的な調査ではなく、ほかには見つかっていない」(広報)としている。
 

過労死等の公務災害補償状況

人事院は、2016年度「過労死等の公務災害補償状況」を公表しました。
脳・心臓疾患に関する事案の協議件数は5件(前年度7件)、認定件数は3件(同1件)。
精神疾患等に関する事案の協議件数は14件(前年度23件)、認定件数は5件(同9件)となっています。

「高度プロフェッショナル制度」容認?

時事通信の記事を以下に転載しておきます。ただし、その後異論が続出し、さらに19日には連合本部前で抗議デモが開かれる事件も発生、すんなりとは行きそうにない状況です。
 
高収入の専門職を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度」導入を柱とした労働基準法改正案の修正をめぐり、安倍晋三首相は13日、首相官邸で連合の神津里季生会長と会談した。神津会長は労働者の健康管理を強化する観点から「年間104日以上の休日確保」の義務付けなどを正式に要請。首相は「しっかりと受け止め検討したい」と述べ、修正に応じる考えを示した。
労基法改正案は2015年4月、国会に提出された。しかし、野党から「残業代ゼロ法案」と批判され、審議入りできていない。
政府は連合の要請を最大限受け入れて法案を修正する方針だ。19日にも経団連も交えた政労使会合を開いて合意を得た上で、提出済みの同法改正案を撤回。残業時間の上限規制の法制化なども含めた「働き方改革」関連の統合法案を秋の臨時国会に提出したい考え。
神津会長は会談後、現行の改正案について「健康管理の対応が極めて不十分で、今の形のまま成立するのは耐えられない。できる限りの是正が必要だ」と述べた。
現行の改正案は、高度プロフェッショナル制度を導入する一方、長時間労働の抑制策として「104日以上の休日確保」「退社から出社までの休息時間の設置」「労働時間の上限設定」の中から、いずれかの選択を企業に求めている。
これに対し、連合の修正案は、「104日以上の休日確保」を義務化した上で、企業の選択肢に「2週間の連続休暇」と「臨時の健康診断」を新たに加えている。
 

電通略式起訴認めず

電通事件ですが、東京地検は6日までに、法人としての同社を労働基準法違反の罪で東京簡裁に略式起訴した(同社も管理職については、処罰を求めるまでの悪質性が認められなかったとして不起訴(起訴猶予)処分とした)という記事を掲載しようと思っていたら、すぐにその続報が出てしまいました。朝日新聞からです。
 
広告大手電通の違法残業事件で、東京簡裁は12日、労働基準法違反罪で法人としての電通を略式起訴した東京地検の処分について、「不相当」と判断し、正式な刑事裁判を開くことを決めた。法人としての刑事責任が公開の場で問われ、山本敏博社長が出廷する見通し。
 
書面だけの審理でよいとして検察が略式起訴した事件について裁判所が「不相当」と判断するのは異例。長時間労働に対する社会の批判が強まる中で、大阪簡裁が今年3月、略式起訴された2件の違法残業事件について略式不相当として正式な裁判を開くことを決めるなど、最近は検察に厳しい判断が続いていた。
簡裁は正式な裁判を求めた理由を発表していないが、複数の関係者によると、本社だけで約6千人の社員がいる巨大企業の違法残業の実態は複雑で、書面だけで量刑を決めるのは困難だと判断したためという。量刑を決めるに当たり、誰がどう労働時間を管理し、なぜ認定できた残業時間が短いのかを、公開の審理で問う必要があると結論づけたとみられる。 東京地検は7日に略式起訴を発表した際、「上司が違法残業と認識して働かせていたのは4人で、時間は1ヵ月で最大19時間だった」と述べ、悪質性は認められないと説明。同種の事例を検討して判断した、としていた。
労基法では法人に科せるのは罰金刑のみだが、裁判では検察が処分を判断した証拠が明らかになるほか、電通側の被告人質問もあり、通常は代表者として社長が出廷する。残業時間について労使が結ぶ「36協定」が無効だったことなど同社の労務管理が明らかになる。
 

「人手不足倒産」の動向調査

帝国データバンクは、従業員の離職や採用難等、人手を確保できなかったことが要因となって倒産(法的整理)した企業(負債1000万円以上、個人事業主含む)を「人手不足倒産」と定義し、集計を開始した2013年1月以降、2017年6月末までの4年半で発生した倒産について集計・分析し、その結果を発表しています。
それによると、4年半で発生した「人手不足倒産」の累計件数は290件。半期別では、直近の「2017年上半期」は49件(前年同期比44.1%増)と、2年連続で前年同期を上回り、「2013年上半期」(17件)と比べて2.9倍増。
負債規模別件数では、4年半累計の最多は「1億円未満」の137件(構成比47.2%)と、小規模企業の倒産が目立っています。
業種別件数を見ると、4年半累計の最多は「建設業」の105件(構成比36.2%)。これに「サービス業」が92件(同31.7%)で続き、この2業種で全体の67.9%を占めています。業種細分類別では、「老人福祉事業」が19件で最多。以下、「道路貨物運送」(17件)、「ソフトウエア受託開発」(16件)と続いています。