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特定社会保険労務士ブログ

電通略式起訴認めず

電通事件ですが、東京地検は6日までに、法人としての同社を労働基準法違反の罪で東京簡裁に略式起訴した(同社も管理職については、処罰を求めるまでの悪質性が認められなかったとして不起訴(起訴猶予)処分とした)という記事を掲載しようと思っていたら、すぐにその続報が出てしまいました。朝日新聞からです。
 
広告大手電通の違法残業事件で、東京簡裁は12日、労働基準法違反罪で法人としての電通を略式起訴した東京地検の処分について、「不相当」と判断し、正式な刑事裁判を開くことを決めた。法人としての刑事責任が公開の場で問われ、山本敏博社長が出廷する見通し。
 
書面だけの審理でよいとして検察が略式起訴した事件について裁判所が「不相当」と判断するのは異例。長時間労働に対する社会の批判が強まる中で、大阪簡裁が今年3月、略式起訴された2件の違法残業事件について略式不相当として正式な裁判を開くことを決めるなど、最近は検察に厳しい判断が続いていた。
簡裁は正式な裁判を求めた理由を発表していないが、複数の関係者によると、本社だけで約6千人の社員がいる巨大企業の違法残業の実態は複雑で、書面だけで量刑を決めるのは困難だと判断したためという。量刑を決めるに当たり、誰がどう労働時間を管理し、なぜ認定できた残業時間が短いのかを、公開の審理で問う必要があると結論づけたとみられる。 東京地検は7日に略式起訴を発表した際、「上司が違法残業と認識して働かせていたのは4人で、時間は1ヵ月で最大19時間だった」と述べ、悪質性は認められないと説明。同種の事例を検討して判断した、としていた。
労基法では法人に科せるのは罰金刑のみだが、裁判では検察が処分を判断した証拠が明らかになるほか、電通側の被告人質問もあり、通常は代表者として社長が出廷する。残業時間について労使が結ぶ「36協定」が無効だったことなど同社の労務管理が明らかになる。
 

「人手不足倒産」の動向調査

帝国データバンクは、従業員の離職や採用難等、人手を確保できなかったことが要因となって倒産(法的整理)した企業(負債1000万円以上、個人事業主含む)を「人手不足倒産」と定義し、集計を開始した2013年1月以降、2017年6月末までの4年半で発生した倒産について集計・分析し、その結果を発表しています。
それによると、4年半で発生した「人手不足倒産」の累計件数は290件。半期別では、直近の「2017年上半期」は49件(前年同期比44.1%増)と、2年連続で前年同期を上回り、「2013年上半期」(17件)と比べて2.9倍増。
負債規模別件数では、4年半累計の最多は「1億円未満」の137件(構成比47.2%)と、小規模企業の倒産が目立っています。
業種別件数を見ると、4年半累計の最多は「建設業」の105件(構成比36.2%)。これに「サービス業」が92件(同31.7%)で続き、この2業種で全体の67.9%を占めています。業種細分類別では、「老人福祉事業」が19件で最多。以下、「道路貨物運送」(17件)、「ソフトウエア受託開発」(16件)と続いています。

西日本高速を書類送検

時事通信からです。
 
西日本高速道路(大阪市)が、過労自殺した社員に違法な長時間労働をさせたなどとして、神戸西労働基準監督署は10日までに、労働基準法違反容疑で、法人としての同社と関西支社長ら計7人を神戸地検に書類送検した。遺族側代理人などへの取材で分かった。
遺族の告訴状などによると、元社員の男性(当時34)は2014年10月から同社の関西支社第二神明道路事務所(神戸市)で施工管理などを担当。うつ病を発症し、15年2月に神戸市内の社員寮で自殺した。
同労基署は15年12月、男性の自殺について労災認定し、死亡前の14年10~12月に月約140時間の残業をしていたと認めた。労使協定では、繁忙期は月90時間までの残業が可能とされていた。また、他の社員に対する未払い残業代もあったと指摘した。
男性の遺族は今年2月、業務上過失致死容疑でも、当時の同社役員や上司ら8人を神戸地検に告訴している。
西日本高速道路の話 このようなことが2度と起きないよう、労働時間の正確な把握の徹底を会社全体で進めている。

医師年俸「残業代は別」

高額な年俸を受け取る医師にも一般の労働者と同様に残業代を支払うべきかが争われた訴訟で、最高裁第二小法廷が先月9日、原告の医師と被告の病院から意見を聞く弁論を開いたため、「残業代は年俸に含まれている」として医師の請求を退けた二審判決が見直されるだろうと噂されていましたが、ついに最高裁の判決が出たようです(朝日新聞から)。
 
医師の高額年俸に残業代は含まれているかが争われた訴訟の判決で、最高裁第二小法廷は7日、「含まれていない」と判断した。その上で「含まれる」として医師の未払い分の残業代請求を退けた二審・東京高裁判決を破棄。残業代算定のため、審理を高裁に差し戻した。
職業や賃金の額にかかわらず、通常の雇用契約ならば、労働時間に応じた残業代を支払う義務があるとの原則を改めて示した。裁判官4人全員一致の意見。
判決によると、原告の40代の男性医師は2012年4月から、年俸1700万円の雇用契約で神奈川県内の私立病院に勤務。病院の賃金規定は、1日8時間の法定労働時間を超えて働いても、残業代が全額は支払われない内容だった。
同年9月に解雇された医師が全額の支払いなどを求めて提訴。病院側は「残業代の一部は年俸に含まれていた」と争った。
判決は「残業代と他の賃金が判別できなければ、残業代を支払ったことにならない」とする最高裁判例を踏襲。残業代にあたる額が不明確なまま定額の年俸を支払う病院の規定では「残業代を支払ったとはいえない」と結論づけた。
15年4月の一審・横浜地裁判決は、「医師の仕事は人の生命に関わり、労働時間の規制の枠を超えて業務に当たることが求められる」と指摘。高額な年俸も考慮し、「労働時間ではなく成果で評価し、残業代を定額の年俸に含められる」と判断し、同年10月の二審・東京高裁も支持した。

平成29年度労使関係セミナー

中央労働委員会主催の「関東地区労使関係セミナー(第1回)」に出席しました。
基調講演
「無期・有期契約労働者間の労働条件格差と労働契約法20条の適用をめぐる諸問題」奥山明良教授
パネルディスカッション
「紛争解決事例の検討」
(1)集団労使紛争 年間一時金の支給月数等をめぐって争われた事例
(2)個別労働紛争 パワハラに対する損害賠償を求めて争われた事例
基調講演で取り上げられた判例は、ハマキョウレックス事件、メトロコマース事件、ヤマト運輸(宮城ベース店)事件、長澤運輸事件、L社事件、トヨタ自動車ほか事件でした。
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36協定に関する調査2017

連合が7日発表した「36協定に関する調査2017」結果によると、時間外労働の実態について、「残業を命じられることがある」が62.5%、1ヵ月の残業時間は平均22.5時間。また、性年代別では、若い年代ほど高く、20代男性は80.6%、30代男性は78.1%。
36協定の締結状況、認知状況については、会社が残業を命じるためには36協定の締結が必要であることの認知率は56.5%。また、勤め先が36協定を「締結している」は45.2%、「締結していない」が17.2%、「締結しているかどうかわからない」が37.6%となっています。

「求人票の内容が実際と異なる」3,608件

厚生労働省は平成28年度「ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数」を公表しました。
それによると、平成28年度の件数は9,299件で、前年度比15.0%減。このうち、「求人票の内容が実際と異なる」件数は3,608件。ハローワークの対応状況については、是正指導の結果、「求人票の内容を変更」が982件、「求人票に合わせ労働条件等を変更」が196件。

「拘束13時間以上」バス運転手の2割

朝日新聞からです。
 
国土交通省が今春、全国のバス運転手約7千人を対象に実施したアンケートで、4人に1人が、1日当たりの睡眠を「5時間未満」と答えたことがわかった。1日の拘束時間では「13時間以上」との答えが2割に上り、過酷な労働環境が浮き彫りになった。
調査は3~5月に実施、7083人に直近4週間の勤務状況を尋ねた。国のルールでは1日の拘束時間は「原則13時間以内」と定められているが、約19%は「拘束が13時間以上」と答えた。睡眠時間について国の規定はないが、約25%が「5時間未満」と回答した。自由意見では「運行スケジュールの改善を行ってほしい」「休憩時間が短く疲れがたまる」などの声が寄せられた。
一方、約1200のバス事業者を対象とした調査では、「運転手を仮眠させる施設の確保に苦労する」「高齢化、運転手不足が課題」との意見が多かった。国交省担当者は「安全のため健康管理には努めてほしい」と話している。