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特定社会保険労務士ブログ

無期転換前に雇い止め

朝日新聞からです。
 
厚生労働省によると、18年4月から、400万人強が無期雇用を申し込む権利を手にしていく計算だ。
大丸松坂屋百貨店や西友が新たに無期雇用への転換制度をつくるなど、非製造業を中心に準備が進む。ただ、法の趣旨に沿って無期雇用への転換を進める企業ばかりではない。無期雇用の権利が発生する前に、雇い止めをする企業も出始めている。
日立製作所と米ジョンソンコントロールズのエアコン合弁工場(静岡市)で10年以上働いてきたパートタイマーの女性は昨年秋、職場の同僚と一緒に休憩室に呼び出され、通告された。「今後、パートは雇わないことにしました」。そうして派遣社員になるよう促された。
5年ルールは直接契約の従業員が対象なので、派遣会社を通じて雇えば、この合弁会社は無期雇用に転換しなくてすむ。女性の夫は病気で思うように働けないため、収入は欠かせない。やむをえず派遣社員になったが、200万円強しかなかった年収が1割ほど減った。
女性は涙を浮かべてこぼした。「労働者に有利になるはずの法改正で、待遇が悪くなるとは……」
大手自動車部品メーカー、ニッパツの豊田工場(愛知県)。07年から働いてきた日系ブラジル人男性(36)は今年3月末、雇い止めされた。職場の期間従業員約15人も同じように「クビ」になった。
実は13年8月から、この男性の雇用契約書には、ある一文が加えられていた。「17年3月31日をもって契約満了とし、その後の契約更新は行わない」。無期雇用を避けるために、同社が入れた文章だった。
「仕事を続けたい」と食い下がったが、会社側は契約書を理由に譲らなかった。「まさに会社に使い捨てにされた気分です」
同様の雇い止めはほかの企業でもある。旬報法律事務所の梅田和尊弁護士は「無期雇用を避けるための解雇は、裁判で無効になる可能性もある」と指摘する。
いかに裁判で負けないよう無期雇用を避けるか――。「2018年問題」を控え、企業は対策を練る。
6月に東京で開かれたセミナーで、講師の社会保険労務士は、企業の労務担当者らにこうアドバイスした。「雇い止めをするなら、できるだけ早くやることが重要です」。通算期間が5年を超える直前に雇い止めをすれば、「5年ルール逃れ」と労働者に受け取られて、訴えられる可能性があるからだ。
セミナーで配られた「対応術の決定版」という資料には、「無期転換すると経営上厳しい」といった「NG発言」が列挙されていた。この社労士は明かす。「寄せられる相談の多くは『どうやって無期雇用を回避するか』です」

車大手、期間従業員の無期雇用を回避

人手不足が無期転換ルールの導入への追い風となるかと期待されていますが、理解に乏しい会社もまだまだ多数存在するようです。朝日新聞から。
 
トヨタ自動車やホンダなど大手自動車メーカーが、期間従業員が期限を区切らない契約に切り替わるのを避けるよう、雇用ルールを変更したことが分かった。改正労働契約法で定められた無期への転換が本格化する来年4月を前に、すべての自動車大手が期間従業員の無期転換を免れることになる。雇用改善を促す法改正が「骨抜き」になりかねない状況だ。
2013年に施行された改正労働契約法で、期間従業員ら非正社員が同じ会社で通算5年を超えて働いた場合、本人が希望すれば無期に転換できる「5年ルール」が導入された。申し込みがあれば会社は拒めない。08年のリーマン・ショック後、大量の雇い止めが社会問題化したことから、長く働く労働者を無期雇用にするよう会社に促し、契約期間が終われば雇い止めされる可能性がある不安定な非正社員を減らす目的だった。施行から5年後の18年4月から無期に切り替わる非正社員が出てくる。
改正法には、企業側の要望を受け「抜け道」も用意された。契約終了後から再雇用までの「空白期間」が6ヵ月以上あると、それ以前の契約期間はリセットされ、通算されない。これを自動車各社が利用している。
トヨタは15年、期間従業員の空白期間を、それまでの1ヵ月から6ヵ月に変えた。ホンダ、日産自動車、ダイハツ工業も13年に空白期間を3ヵ月から6ヵ月に変更した。
自動車業界の期間従業員は、半年程度の契約を繰り返して働き続けることが多い。日産の期間従業員は連続で4年11ヵ月まで、トヨタ、ダイハツ、ホンダは連続2年11ヵ月か3年まで働ける。例えば、期間従業員が2年11ヵ月働いて、いったん退社、6ヵ月未満で再契約し、2年1ヵ月を超えて働けば、無期雇用に切り替わる権利を得られる。だが、空白期間を6ヵ月にすれば、どれだけ通算で長くなっても無期転換を求められない。
空白期間を6ヵ月に変更した理由について、日産、ダイハツ、ホンダの広報は、労働契約法の改正を挙げた。トヨタ広報も「法の順守はもちろん、時々の状況に応じた制度づくりを行っている」と答えた。
三菱自動車、マツダ、スバルの空白期間は以前から6ヵ月だった。スズキは再雇用をしていなかったが、13年に認める代わりに6ヵ月の空白期間を導入した。トヨタなど4社の空白期間変更により、自動車大手8社すべてで、期間従業員は無期転換の権利を得られないことになる。
法改正の議論では、経団連が「企業が再雇用をしなくなって労働者の雇用機会が失われる」などと主張、空白期間をとりいれることになった。労働組合は5年ルールの形骸化を防ぐため、空白期間を設けることに反対していた。労組関係者は「法案をまとめるために妥協の産物としてつくられた抜け道が、利用されてしまった」という。
無期雇用に転換したとしても、ボーナスや定期昇給がある通常の正社員になれるわけではない。ただ、無期雇用で職を失う心配がなくなれば、住宅ローンを借りやすくなったり、有給休暇を取りやすくなったりする。サービス残業などの違法行為にも、泣き寝入りしなくてすむ。
厚生労働省によると、期間を定めた契約で働く人は1500万人にのぼり、うち3割が同じ企業で5年超続けて働く。400万人以上が無期雇用を申し込む権利を手にする計算だ。非製造業を中心に無期雇用の制度づくりを進める企業もある一方、無期雇用の権利が発生する前に雇い止めする企業も出ている。
自動車各社は無期転換とは別に、正社員登用を進めていることを強調する。ただ、登用者数が期間従業員全体に占める割合は、1割程度にとどまる社が多い。
労働問題に詳しい嶋崎量弁護士の話 改正労働契約法の趣旨に反する雇用が、日本を代表する自動車産業で広く行われていることは驚きだ。他業界への波及が懸念される。不安定な雇用で働かせ続けたい経営側も問題だが、万一これを容認したのであれば、労働組合も社会的責任が問われかねない重大な問題だ。非正規社員の間には、「正社員の雇用安定しか考えていない」という労使双方への批判がもともと強い。労使で早急に議論をして改めてほしい。
■自動車大手8社が設けた空白期間
トヨタ自動車  1ヵ月→6ヵ月(2015年)
ホンダ     3ヵ月→6ヵ月(2013年)
日産自動車   3ヵ月→6ヵ月(2013年)
ダイハツ工業  3ヵ月→6ヵ月(2013年)
スズキ          6ヵ月(2013年)
スバル     1日 →6ヵ月(2008年)
マツダ          6ヵ月
三菱自動車        6ヵ月
※カッコ内は変更時期。スズキは13年の制度変更まで再雇用をしていなかった。
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問題なしの見解、NHK会長示す

朝日新聞からです。
 
NHKの記者だった佐戸未和さん(当時31)が4年前に過労死していた問題で、当時監査委員として経営陣から報告を受けたのに経営委員会には報告しなかった上田良一会長が2日、記者会見で「監査委員には独自の判断が許されている」と述べ、自身の判断に問題は無かったとの考えを示した。
佐戸さんの両親は、NHKが今年10月まで過労死を公表しなかったことを問題視している。上田氏の判断が公表の遅れにつながった可能性があるが、上田氏は「監査委員の役割は役員の不正行為を報告すること。当時は執行部が適切に対応していると判断した」と釈明した。
この問題ではNHKの石原進経営委員長が「委員会に報告してほしかった」と苦言を呈したほか、野田聖子総務相も判断に疑問を投げかけている。上田氏は「大臣と石原氏の指摘は真摯に受け止めるが、私が先頭に立って再発防止に取り組みたい」とした。

過労死等防止啓発月間

平成28年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」や平成29年3月に内閣総理大臣を議長とする「働き方改革実現会議」で決定された「働き方改革実行計画」において、働き方改革の実行・実現のため長時間労働の是正に向けた取組を強化する旨が盛り込まれるなど、長時間労働対策の強化が喫緊の課題となっています。
このため、厚生労働省では、「過労死等防止啓発月間」の一環として「過重労働解消キャンペーン」を11月に実施し、長時間労働の削減等の過重労働解消に向けた取組を推進するため、使用者団体・労働組合への協力要請、リーフレットの配布などによる周知・啓発等の取組を集中的に実施します。

新しい技能実習制度がスタート

厚生労働省と法務省が共管する「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」が1日施行され、厚生労働大臣、法務大臣が監理団体292団体に1日付で許可を行ったことを公表しました。同法では、技能実習生の受け入れに当たり重要な役割を担う監理団体を許可制としており、今年6月1日から外国人技能実習機構本部で許可申請の受付を開始し、11月1日付けで一般監理事業または特定監理事業を行う監理団体の許可を行ったとのことです。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000183027.html

 

 

基礎研究の「氷河期」 博士号とっても就職難しく

これものっぴきならない問題です。朝日新聞「東洋経済の眼」から。
 
今年のノーベル賞は残念ながら日本人の自然科学系での4年連続受賞はなりませんでした。日本では毎年秋、ノーベル賞をめぐり、国を挙げて大はしゃぎしますが、そんな風物詩が過去の遺物となる日は近いかもしれません。
ある私立大学の薬学部教授に聞いた話です。心臓や肝臓の位置が分からない、動脈や静脈の文字が書けない、そんな学生が薬学部に入ってくることが最近は珍しくないそうです。ただし、学生側にも言い分があって、入試科目に生物を課す薬学系大学が少なく、教授によると、「受験になければ高校も非常勤講師で間に合わせている」のだそうです。合格実績という目先の利益を優先している様子がうかがえます。
一方、2004年の国立大学法人化で運営費交付金が徐々に減らされた結果、短期の成果を求める風潮は、研究環境が恵まれている東京大学にも及んでいます。10月に国の財政制度等審議会で五神真・東大総長がプレゼンテーションした内容は示唆的でした。
東大での修士から博士課程への進学率は01年に42%だったのが16年には26%まで低下。背景には、若手研究者の雇用の不安定化があると見られます。博士号取得後のポスドク(博士研究員)の受け皿である大学教員のうち、身分が安定しない「任期付き」が東大全体で6割超にも上るというのです。
これでは、大学院で基礎研究を深めるより、応用研究が中心の民間企業への進路を選ぶ学生が増えるわけです。今後、日本の基礎研究にとって、じわりと響くダメージになるはずです。

佐川急便でも賃金未払い

調べれば必ず見つかるので、必要以上に調べたくはないのでしょう。朝日新聞から。
 
佐川急便を傘下に持つSGホールディングス(HD)は27日の2017年9月中間決算会見で、全ドライバー約3万人を対象にした調査で、賃金の未払いが見つかったと明らかにした。対象人数や未払い額は、「経営への影響は軽微」として開示しなかった。未払い分は決算に計上済みで、今後、ドライバーに一時金として支払う。
同社は東京証券取引所に上場を申請中で、厳格な法令順守が求められる。中島俊一取締役は「必要なレベルの対応はすんでいる」と述べるにとどめた。
同社では、都内の営業所で、昼休みに働いた社員にその分の賃金を払っていなかった疑いが浮上。同種の事案がないか、8月から社内調査をしていた。ただ、調査は原則として過去1年分にとどまる。残業に対する未払いの有無は調べていない。宅配業界では、最大手のヤマトHDで約5万9千人分、計約240億円の未払いが見つかっている。

労使関係セミナー in 都庁

27日に、中央労働委員会主催、東京都労働委員会共催の「関東地区労使関係セミナー」に出席しました。
 
基調講演
「働き方改革の今後の課題について ~同一労働同一賃金の実現と長時間労働是正への道筋~」水町勇一郎教授
パネルディスカッション(紛争解決事例の検討)
(1)集団労使紛争 派遣社員の契約終了をめぐって争われた事例
(2)個別労働紛争 時間外手当の支払等を求めて争われた事例
 
水町教授から「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」の解説がありました。裁判では、正規・非正規間の待遇差の不合理性の判定に関して、個々の待遇ごとに判断するのか総合的に判断するのかが分かれていますが、この法改正により個別に判断されるべき旨を明確化するとのことです。
 
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