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特定社会保険労務士ブログ

労働関係法規集2018年版

遅くなりましたが、今年もさる筋から無事いただくことができました。
表紙カバーがついに消滅してしまったようです。
 
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介護職員7割ハラスメント被害

22日付朝日新聞からです。
 
顔につばを吐きかけられたり、「死ねばいい」と言われたり……。介護職員らの労働組合「日本介護クラフトユニオン」は21日、介護職員の74%が利用者やその家族からハラスメントを受けたことがあるとのアンケート結果を公表した。
ハラスメントに関するアンケートは組合員を対象に、今年4、5月に郵送で実施。2411人から回答を得た。
ハラスメントを経験したのは1790人。複数回答で、利用者らが「攻撃的態度で大声を出す」(1035人)が最多。さらに「強くこづいたり、身体的暴力をふるう」(366人)、「『バカ』『クズ』など、人格を否定するようなことを言う」(365人)といった暴力や暴言もあった。
「『前に来たヘルパーはやってくれたのに、あなたはやってくれない!』と激怒」(自由記載)など、利用者らが「他者を引き合いに出し、サービスを強要する」ことがあったと答えたのは884人だった。

医療現場も働き方改革

22日付朝日新聞からです。
 
働き方改革が医療現場でも始まっている。研修医が過労自殺をした新潟市民病院は、労働基準監督署から是正勧告を受けて医師の長時間労働の是正にのりだした。新潟市が病院と共に緊急対応宣言を出して1年。周囲にも影響が出てきた。
 
■入退館、自動で記録
医師の労働時間の把握は困難とされる。市民病院では新たに出入り口に、入退館を自動で記録できる装置を設置した。
文献を読むなどの自己研鑽(は必須だが、勤務との区別が難しい。そこで昨年9月、医局の部屋にある電子カルテに新システムを導入。午後5時15分以降に医師が書類作成などの「仕事」をする前には「開始」ボタンを押し、読書や食事の前には「終了」を押す。労働ではない時間を明確にすることで、医局内での労働時間を把握する。医師が申告する勤務時間と電子カルテや入退館のデータなどを突き合わせてチェックする。
■複数医師で担当
夜間や休日の急な呼び出しを減らすため、複数の医師で患者を担当する「複数主治医制」も採用した。
2016年1月に女性研修医が自殺し、17年5月に労災が認められた。市民病院は新潟労働基準監督署から是正勧告を受け、6月に「緊急対応宣言」。休日夜間に緊急ではない受診を控えることを市民に、周辺の病院にも救急医療体制維持への協力を求めた。
■救急搬送6%減
命に関わる重症患者を診る3次救急はこれまで通り受ける。一方で毎年増えていた市民病院の救急搬送患者の総受け入れ数は、6月の宣言から今年3月末までに前年の同時期と比べて6%減り、3992人だった。片柳憲雄院長は「救急医療体制を維持しながら医師のワーク・ライフ・バランスを考えた働き方改革を進めたい」と話す。
市消防局によると、市民病院を除く、市内計18の救急病院の救急受け入れ患者は同じ期間で890人増え、前年と比べて5%増。ある病院の内科医は「負担増は歓迎ではないが、3次救急を受け入れてもらわないと困るので、どの病院も『仕方ない』という受け止めだ」と言う。
■首都圏でも動き
首都圏でも是正勧告を受けて改革にのり出す病院が出ている。
東京都三鷹市の杏林大学病院。シフト制を徹底して労働時間の削減に努める。採血は看護師に、患者の搬送は看護助手にとこれまで以上に業務移管を進める。34診療科中、皮膚科、泌尿器科、眼科、血液内科など12科は、夜間救急の宿直を今年5月上旬からやめた。
中村一雄・総務部長は「医療を続けるには医師の健康を守らなければならないと丁寧に説明をした結果、『必要なこと』という理解は進んだ」と話す。
東京都中央区の聖路加国際病院は34診療科が行ってきた土曜外来を昨年6月に14科に縮小。さらに今年1月以降は、救急部と一般内科を除いて原則、やめた。
こうした取り組みについて、日本救急医学会で医師の働き方改革担当理事を務める小倉真治・岐阜大学教授は「診療科や地域の医師偏在、国民に適正受診を促す仕組み作りなどにもっと向き合う必要がある」と指摘。「医師の労働時間を短くするだけでは、夜間に患者を診る医師が不足して地域医療が破綻する」と訴える。
 

記者等に対するセクシュアルハラスメントに関する決議

日本新聞協会は、福田前財務次官による記者へのセクハラ問題などを受け、記者等に対するセクハラ問題に関する考え方を理事会で決議しました。
全文は以下のとおり。
 
セクシュアルハラスメントをはじめすべてのハラスメントは、人間の尊厳を傷つける。性別や職業に関わりなく、決してあってはならない。
前財務事務次官による記者へのセクシュアルハラスメントは、極めて遺憾である。情報を提供する立場であることを悪用した記者へのハラスメントは人権侵害にとどまらず、取材活動を阻害し国民の知る権利にも悪影響を及ぼす重大な問題である。女性を取材現場から遠ざけることを肯定するような言動も、見過ごすことはできない。
われわれは真実を追究して正確かつ公正な報道に努め、権力を監視し続ける。この公共的な責務を果たすため、取材源などからのハラスメントがあれば毅然と対応するとともに、同種の問題が今後起きないよう注視する。また、課せられた使命に対する自覚を深め、加害者にもならないよう自らを律していく。

外国人技能実習生の実習実施機関に対する監督指導等状況

厚生労働省は20日、全国の労働局や労働基準監督署が、2017年に技能実習生の実習実施機関に対して行った監督指導や送検等の状況を公表しました。
労働基準関係法令違反が認められた実習実施機関は、監督指導を実施した5,699事業場のうち4,226事業場(70.8%)。
主な違反事項は、労働時間26.2%、使用する機械に対して講ずべき措置などの安全基準19.7%、割増賃金の支払15.8%など。
重大・悪質な違反により送検されたのは34件。
 

底上げと同一労働同一賃金に向けたシナリオ

正社員の手当廃止により非正規社員との格差縮小を図る異例の措置を取った日本郵政グループ労組の総括です。
日本最大の単一労組である日本郵政グループ労働組合(JP労組、組合員約24万人)は6月13、14の両日、香川県高松市で定期全国大会を開き、2018年度の運動方針を確認した。増田光儀・委員長はあいさつで、2018春闘において正社員の一時金水準が年間4.3ヵ月の回答を得たことや、非正規雇用社員に年始手当や夏期・冬期休暇等で底上げが図られたことを、「将来に向けて底上げにつなげられるような当面のシナリオと、そのベースを一定形作ることができた」と評価。その一方で、一般職への住宅手当の廃止や新規採用者の年休発給日数の引き下げ等でマイナスを受け入れざるを得ない状況になったことについては、「トータルで上乗せしていくことができるよう取り組んでいく」姿勢を強調した。

社外からの被害にも対策

6月19日に公表された朝日新聞の全国主要100社景気アンケートから、ハラスメント対応策への回答部分の引用です。
 
セクハラ・パワハラなどについて、社員が社外の取引先などからの被害を訴えた場合の対応策を尋ねた。
最多は「社内事案と同じ通報窓口で対応」の86社だったが、「相手の所属先にも伝え、対処してもらう」(55社)「担当業務を代えるなど、相手と会わないように配慮する」(52社)と、社外相手ならではの策を取る企業も多い。
「女性の営業職が家庭を訪問する仕事が多いが、夜間に1人で行かないようにしている」(日本生命保険)
社外の人が関係するセクハラ事案が社会的に注目されたことから、「最近、セクハラに関する社内調査などを行った」ところも3社あった。
 

高プロ、監督官も懸念

朝日新聞からです。
 
参院で審議中の働き方改革関連法案に含まれる高度プロフェッショナル制度(高プロ)に、違法な働き方を取り締まる現役の労働基準監督官から懸念の声が出ている。労働時間の規制から外れるため、企業に長時間労働の指導ができず、さらに違法適用の摘発も難しいとみているからだ。
高プロは、年収1075万円以上の一部専門職を労働時間規制から外す制度。野党は「過労死が増える」と導入に反対している。
「どれだけ長時間労働があっても、手出しができない」。監督業務に20年以上携わる、関東地方の監督官はこう指摘する。
労働時間規制を緩めた制度には、実際に働いた時間にかかわらず一定時間を働いたとみなす裁量労働制があるが、みなした時間を大きく超えて働かせるなどすれば企業に指導ができる。だが、高プロではそれもできなくなる。企業が労働時間を管理する必要がないため、残業という概念も、上限規制もなくなるからだ。
労災認定への影響も心配する。企業は、在社時間と社外で働いた時間を合わせた「健康管理時間」を把握すればよく、認定に必要な実際の労働時間が分からない可能性があるからだ。
別の監督官は、違法適用を摘発する難しさを指摘する。働き手が本当に高プロの対象業務をしているかを見極めるには、数日間は実際の業務を確認する必要があると考えているためだ。
1人で月に十数社を監督するため、調査は簡単ではない。時間がとれても、それが「コンサルタント」や「研究開発」といった対象業務にあたるかの線引きは困難で、政府が省令で適用条件に加えると答弁した「いつ働くかの裁量」を持つ働き手かどうかの見極めはさらに難しい。「摘発できる体制にも制度にもなっておらず、資料を確認する程度の調査しかできない。裁量労働制と同じ構図だ」
東京労働局は昨年12月、裁量労働制を全社で違法適用していた野村不動産を特別指導したが、きっかけは男性社員の過労自殺だった。労基署は過去の同社への調査では、違法適用は見抜けなかった。政府はこれらの事実を認めていない。
加藤勝信厚生労働相は14日の参院厚労委で「届け出があったすべてで、監督指導を一定期間中に行っていく」と述べた。だが、この監督官は言う。「裁量労働制でも、過労死が起きなければ違法適用を見抜けない現状がある。このまま高プロを入れれば、過労死につながる長時間労働がますます増えてしまう」