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特定社会保険労務士ブログ

脳・心臓疾患、精神障害の労災申請の実務

千葉県社会保険労務士会船橋支部主催の実務専門研修会「脳・心臓疾患、精神障害の労災申請の実務」に参加しました。
講師は、元厚生労働事務官で、現在は特定社会保険労務士の高橋健氏。
説明項目
(1)増加する脳・心臓疾患と精神障害の労災申請
(2)脳・心臓疾患の労災認定の具体的ポイント
(3)精神障害の労災認定の具体的ポイント
(4)労災手続(請求手続き)にあたっての留意点

(5)従業員の健康障害を防止するために企業に求められる具体的対策
(6)その他

 

雇用特区

全国社会保険労務士会連合会の大西健造会長が、産業競争力会議課題別会合に提出された国家戦略ワーキンググループによる「規制改革提案に関する現時点での検討状況」の中で、臨時国会による法制化が提案されている「雇用特区」について、見解を表明しました。
以下に引用しておきます。

1  9月20日に開催された産業競争力会議課題別会合に提出された国家戦略特区ワーキンググル     
 ープ(以下「 特区WG」という。)による「規制改革提案に関する現時点での検討状況」において、
 「雇 用」について「特区」内に おける一定の条件を満たす事業所に対し、有期雇用、解雇ルール
 及び労働時間について特例措置を講じ、臨 時国会において法制化する提案が行われた。
2 10月4日に行われた八田達夫特区WG座長の記者会見によると、労働時間規制の特例について
 は先延ばしと する一方で、有期雇用と解雇ルールに関する特例措置対象者を一定の専門資格取
 得者(弁護士、会計士等) と修士号・博士号取得者に限定することなどを盛り込んだ国家戦略特
 区関連法案を臨時国会に提案したいとし ている。
3 当連合会は、「特区」のように一定の地域を限って、労働基準法・労働契約法に規定されたルー
 ルと異なるルールが適用できるとなると、労働者及び中小零細企業の経営者(使用者)に不利益が
 及ぶことが危惧されるため、今回の特区WGの提案内容及び政府によるその法案化に向けた動き
 に対して、以下の見解を表明する。
 ⑴ 労働基準法は、第1条で「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充た
  すべきものでなければならない。」、また「この法律で定める労働条件の基準は最低のものである
  から、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとよ
  り、その向上を図るように努めなければならない。」と定めている。
   労働力不足の状態であれば、どの企業で働くかは労働者が選択することができるが、就職困難
  な状態では労働者が職場を選択する余地はほとんどなくなり、不本意でも労働者は「特区」内の
  厳しい労働条件でも受諾して就労せざるを得ない状況が生まれ、雇用の混乱を招くことになりか
  ねない。
 ⑵ 「特区」外の企業は「特区」内の企業と公正な競争が行えなくなり、とりわけ、中小零細企業の経
  営者(使用者)の視点からすると、雇用環境の差異が生じることにより、経営資源で一番重要で大
  切な人的資源の確保に際し、不当で不公平な状況が生じるなど、より一層厳しい経営環境にさら
  されてしまうことも危惧される。
 ⑶ 労働現場のルールは、現場を熟知した当事者である公労使が参加して決めることが重要であ
  り、このことは、国際労働機関(ILO)の基本的な哲学として、公労使の三者同数で構成される審
  議会において審議されることが求められている。
   しかし、今回の特区WGの委員は事業家と他分野の学者のみで構成されており、労働法の専門
  家及び労働者の代表は加わっていない。
   労働法制の根幹に関わる労働基準法、労働契約法の例外措置を定めるという極めて重要な提
  案が、三者同数の構成によらない審議会において短期間に法案化されようとしていることは極め
  て異常な事態であると言わざるを得ない。
4 このように、今回の雇用ルールに関する「特区」提案は、労働基準法等の労働者保護制度の歴
 史を理解しないものと言わざるを得ず、中小零細企業における公正な競争による事業の健全な発
 達をも阻害するものと言わざるを得ない。
  当連合会としては、労務管理の専門家である社会保険労務士の立場から、政府は今回の特区
 WGの雇用に 関する提案を一旦撤回し、労働政策審議会において、慎重な審議が行われることを
 強く望むものである。

よく言ってくれました。
全面的に賛同します。


 
 

 

経営労務改善セミナー

経営労務改善相談センター(千葉県最低賃金総合相談支援センター)主催で千葉労働局後援の経営労務改善セミナー ににコーディネーターとして参加しました。コーディネーター コーディネーター コーディネーター コーディネーター  

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ブラック士業

9月7日のシンポジウム「あなたは大丈夫? ブラック企業の傾向と対策」で基調講演を行った今野晴貴さんの「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪」を読了しました。若年労働問題を、単なる個人の問題としてではなく、社会的な問題としてとらえ、その起源、影響、対策を考察しているところが、秀逸でした。
なお、以下には、 自戒の念を込めて、「第7章 日本型雇用が生み出したブラック企業の構造」中の「『ブラック士業』の登場」(社労士編だけ)を引用しておきます。

■「ブラック士業」の登場 
さらに、この間深刻なのは、悪徳な社会保険労務士や弁護士が、ブラック企業と労働者の間に介在するようになってきたことだ。かれらはブラック企業が用いるさまざまな「パターン」を企業に唱導し、普及させる。紛争を「ビジネス」と考えて、盛んに日本型雇用の「悪用」の仕方を説くのである。
(中略)
また、同じように、社会保険労務士の劣化も深刻である。弁護士ほど顕著ではないが、社会保険労務士の合格者数は、1998年の2327人に対して、ピークの2004年には4850人にまで急増している。その背景には、受験者数の増加がある。資格取得がブームになり、「手ごろ」な資格として人気を博している。転職経験者などが、「とりあえず」とる資格として普及しているのだ。
ところが、社会保険労務士の資格をとったからといって、すぐに開業して生計を成り立たせることができるというわけではない。新規開業者の多くは、食べることにすら必死なのが実態である。
そこで目をつけたのが、「労使紛争」の分野である。本来、労使紛争は労働組合や弁護士といった専門家が支配的な分野だったのだが、社会保険労務士の数の増大とともに、ここに「ビジネスチャンス」を見出そうという機運が高まっていった。全国社労士連合会としてもこれを推奨し、「特定社会保険労務士」という一部の紛争で代理人を務めることができる制度も整備された。
ところが、社会保険労務士は、弁護士のように労働法を熟知しているわけではない。労務管理のプロといっても、それは保険関係の処理などに限定されており、複雑な契約論・法律論を学んでいるわけではないのだ。
そうした中で、自覚的に「ブラック」な稼業に手を染める社労士も現れてきている。ある社会保険労務士のホームページには、次のように書かれている。
「会社はすべての法律を守りますと約束する必要なんてありません!」
「健康を維持するのは労働者の責任です!」
でたらめもはなはだしいといわざるを得ない。会社は法律を守る必要があるし、業務との関係における健康の維持は、使用者側の責任である。
では、彼ら「ブラック士業」が労使紛争に介入するとどうなるのか。先ほどでたらめの損害賠償請求が行われるといったが、それだけではない。まず、残業代の不払い請求にせよ何にせよ、「すべて拒否する」ことを会社の社長に進言する。仮に、会社側に違法行為があったとしても、極力隠す。そして、のらりくらりと相手を無視し、若者の側が「諦める」のを待つようにする。
その際、いろいろな「嘘」をついて、あたかも請求する権利がないかのようにいう。多くの人はその時点で諦めてしまうだろうが、それでも争う人がいる場合には、徹底的に争いを長引かせ、法律どおりの運用を妨げる。
この紛争の長期化を通じて、彼らは会社から多大な報酬を受け取るのである。つまり、正しい法律の指南をするのが彼らの目的ではない。争いを炎上させ、そこに付け込んで利益を上げることが目的なのである。彼らが「労務屋」といわれるゆえんである(ただし、多くの弁護士や社労士は法律に基づいて業務をし、経営者が健全な経営をするように指南している。こうしたブラック士業が現れて、もっとも困っているのはかれら、まともな経営側のコンサルタントかもしれない。また、数は少ないが「労働側」の社労士も存在する。彼らの活躍に期待したい)。
 
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平成25年度労使関係セミナー

4年ぶりに、中央労働委員会主催の「労使関係セミナー」に参加してきました。
 
基調講演
「有期労働契約規制の法的諸問題 -労働基準法と労働契約法から-」青野覚教授
事例紹介及び事例解説
・集団的労使紛争
 ① 降格制度導入に係る就業規則の改定
 ② 復職等を求めて退職で円満解決(合同労組が介入)
・個別的労働紛争
 ③ パワハラ(2事例)
 
事例紹介編では、公労使三委員の本音が聞け、それに対して、受講者(労働審判員やユニオン関係者)からの反論があったりして、予定調和では終わらず、結構楽しめました。
青野教授の基調講演で紹介された、最近のEU諸国の動向(有期契約の原則禁止化)については、非常に感銘を受けたので、また改めてコメントさせていただきます。
 
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職場のパワーハラスメント対策ハンドブック

厚生労働省が、職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を推進するため、企業の取組の好事例などを紹介した「職場のパワーハラスメント対策ハンドブック」を作成。
ポータルサイト「あかるい職場応援団」からダウンロードできます。
また、10月から、「パワーハラスメント対策取組支援セミナー」(厚生労働省委託事業)が全国各地で 開催されまます。
http://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/download
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大庄(日本海庄や)過労死訴訟

居酒屋チェーン「日本海庄や」で男性従業員が過労死したとして、両親が経営会社「大庄」と社長ら役員4人に計約1億円の損害賠償を求めた訴訟で、同社側に計7863万円の賠償を命じた一、二審判決が確定したそうです。

 
お亡くなりになった従業員の入社時、新卒者の最低支給額は194,500円、さらに残業代別途支給とされていました。
しかし、この最低支給額には、実は、80時間分の残業代に相当する役割給71,300円が含まれており、残業が80時間に満たない場合は減額されたそうです(残業ゼロの場合は、123,200円で、当時の最低賃金レベル)。
当初提示された最低支給額分稼ごうと思ったら、嫌でも80時間働かないといけないということで(まあ、仕事量も膨大だったのでしょう)…長時間残業を前提にした給与体系のもとで過労死に至ったと認定しています。
そのうえで、役員4人に、労働者の生命や健康を損なわないようにする体制を築く義務があったのに、不合理な労働実態を把握しながら放置し、「悪意又は重大な過失があった」とし、会社法429条1項に基づき役員個人の連帯責任も認めています。
 
こんな稚拙なシステムを放置して、平気だったとは…絶句です。

 

パートタイム労働者雇用管理セミナー

厚生労働省委託事業「パートタイム労働者雇用管理セミナー」に参加してきました。

 
パートタイム労働者雇用管理セミナー〔応用編〕
~パートタイム労働者の活用戦略にもとづく賃金制度設計及び導入の実際~
第Ⅰ部「要素別点数法による職務評価の実施ガイドラインの概要」
第Ⅱ部「パートタイム労働者の活用戦略にもとづく賃金制度設計及び導入の実際」
 1. 均衡・均等待遇のチェックを踏まえた処遇改善の方法
 2. 職務内容の切出しと格付け(役割等級)制度の設計
 3. 許容人件費を踏まえた賃金制度の設計
 4. 制度移行の手続き(規程整備、従業員周知等)
 
賃金制度設計は苦手な分野なので、積極的に取り組み強化していくつもりです。

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