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特定社会保険労務士ブログ

ユースエール認定

ユースエール認定制度は、平成27年10月1日施行の「青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)」によって創設された、若者の採用・育成に積極的で雇用管理の状況などが優良な中小企業を認定する制度ですが、厚生労働省は8日、24社の企業に対しこの認定を行ったと公表しています。
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女性活躍推進法全面施行

4月1日から女性活躍推進法が全面施行されましたが、301人以上の企業に義務づけられた「一般事業主行動計画」を届け出た企業は、15,472社中11,068社で届出率は71.5%だったそうです。 
事業主行動計画等の公表義務(推進法16条・17条)や履行確保措置として厚生労働大臣(都道府県労働局長)による報告徴収・助言指導・勧告制度(26条)があり、届出・報告義務違反等に対する懲役刑を含む刑事罰がある(29条~34条。同種のスキームがあるのは障害者雇用促進法)。
刑事罰があることから、違反に対する公益通報者保護法の対象にもなっています。

第3回長時間労働削減推進本部

4月1日に「長時間労働削減推進本部」の第3回会合が開催され、今後の長時間労働対策が発表されています。
(1) 執行面の対応として労働基準監督署による監督指導を強化
・月残業100時間超から80時間超へ重点監督対象を拡大
 月80時間超の事業場も対象(年間約2万事業場)
 自主点検を求め、確認できたすべての事業場に監督
・監督指導・捜査体制の強化・全国展開
 本省に対策班を設けて広域捜査の指導調整
 労働局に長時間労働を指導するための担当官を設置
(2) 取引の在り方や業界慣行に踏み込んだ取組等
・長時間労働の原因となり得る、「手待ち時間の発生」や「短納期発注」などの取引環境・条件の改善に向けた取組を、業界や関係省庁( 国土交通省や、中小企業庁・公正取引委員会)と連携して行う

雇用環境・均等部(室)

トピックスにも掲載しましたが、労働局では以下の取組を進めるため、平成28年4月に組織の見直しを行い、新たに「雇用環境・均等部(室)」を設置するとのことです。
・男女ともに働きやすい雇用環境を実現するため、「女性の活躍推進」や「働き方改革」等の施策をワンパッケージで効果的に推進する。
・労働相談の利便性をアップするため、パワハラや解雇等に関する相談とマタハラやセクハラ等に関する相談の対応を一体的に進める。また、個別の労働紛争を未然に防止する取組(企業指導等)と、解決への取組(調停・あっせん等)についても、同一の組織で一体的に進める。また、個別の労働紛争を未然に防止する取組(企業指導等)と、解決への取組(調停・あっせん等)についても、同一の組織で一体的に進める。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2016/03/dl/tp0331-1a.pdf

「過労で自殺」提訴

朝日新聞(3/30付)からの転載です。

弁当チェーン「ほっともっと」の店長だった男性(当時30)がうつ病を患って自殺したのは、長時間労働などが原因だとして、長野市の男性の父親(70)らが29日、弁当チェーンを展開する「プレナス」(福岡市)に対し、約9,394万円の損害賠償を求める訴えを長野地裁に起こした。
原告側代理人の一由貴史弁護士によると、男性は2010年4月に同社に正社員として入社、同12月に三重県内の店舗に異動。11年3月ごろから精神的に不安定になり、同7月に店舗内で首をつって亡くなった。
会社のパソコンの履歴や勤務管理表、妻にあてたメールなどから、男性が亡くなる前の半年間の時間外労働は、月に110時間35分~274時間29分にのぼっていた。また、上司から「(売り上げが伸びなかったら)死刑にします」「死んでください」などの内容のメールが、男性に送られていたという。
プレナスの担当者は「訴状が届いていないので、コメントは差し控えたい」としている。

「業績不良」で解雇、無効

また相対評価の事案です(朝日新聞より)。

「業績不良」で解雇、無効 
東京地裁判決 日本IBMの5人勝訴
日本IBM(東京都)の社員5人が「業績不良」を理由に解雇されたのは違法だと訴えた訴訟で、東京地裁は28日、5人全員の解雇を無効とする判決を言い渡した。吉田徹裁判長は「解雇権の乱用だ」と述べ、解雇後の給与の支払いも命じた。
同社では2012年以降、業績不良を理由とする解雇が相次ぎ、弁護団によると、他にも6人が同地裁で争っている。今回の5人は43~59歳で、営業やシステム運用の業務をしてきた。弁護団は「名目は個々人の業績不良だが、実質は会社のリストラだった。『解雇は自由だ』とする米国流の手法に、歯止めをかける判決だ」と評価した。
判決は、5人に一定の業績不良や問題行動があったと認める一方、「適性のある業種に配転したり、解雇の可能性を伝えて業績改善の機会を与えたりせずに解雇した」と指摘。同社が根拠とした評価方式については「あくまで相対評価で、低評価が続いても、解雇に足る業績不良と認められるわけではない」と述べ、解雇は無効だと結論づけた。
日本IBMは「主張が認められず誠に遺憾。判決を精査し、今後の対応を検討する」との談話を出した。
低い相対評価、理由と認めず
日本IBMは12年以降、上司がこんな書面を読み上げ、突然、その日をもって原告らの出社を禁止した。「貴殿を解雇する。業績が低い状態が続いており、様々な改善機会を提供したが改善はなされず、もはや放っておくことはできない」
原告側によると、こうして解雇を通告された社員は約50人いる。
日本IBMは社員を5段階で評価。低い方の二つの段階には社員の5~15%が入っていた。同社は、評価が2年連続で低い二つの段階だったことなどから、業績不良としていた。しかし判決は、原告らが長期間雇用され、配置転換された経験があり、比較的高い評価だった時期もあることなどを理由に、解雇は無効だと判断した。
「相対評価が低くても解雇理由にならないことが、能力主義の会社でも明確にされた」。原告側の代理人弁護士はこの日の判決の意義をこう強調した。
これまでの裁判例でも、長期雇用で働く人の場合、業績が平均的な水準に達しないという理由での解雇は無効とされてきた。
第2次安倍政権では、解雇ルールの緩和を目指す動きが目立つ。いまは、裁判で解雇が不当とされた働き手に会社がお金を払って退職させる「金銭解決制度」の導入が検討されている。原告を支援する労働組合幹部は「業績が悪い社員は解雇できる流れが作られようとしている。解雇を自由にする流れにくさびを打ちたい」と話した。

労組アンケート、また違法

大阪市が橋下徹市長時代に全職員に労働組合活動への参加の有無などを尋ねたアンケートをめぐり、職員とOB計59人が市に1人当たり33万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は、各5,000円の支払いを命じました。
地裁は昨年3月、「労組活動への参加を萎縮させる」などと判断し、プライバシーや労働基本権の侵害を認めていました。
 
別の職員らが起こした昨年12月の大阪高裁判決に続き、アンケートは違法と判断されました。
労働法には、あまりお詳しくないのかも知れません。

「同一労働同一賃金」初会合

「同一労働同一賃金」の実現に向けた専門家による検討会の初会合が23日開かれ、参加した法律家や経済学者からは、「労働者の納得性を高めるために、企業の情報公開が必要だ」、「就職時の賃金が市場で決まっている点をどうとらえるべきか」といった意見が出たそうです。
東京メトロ子会社契約社員で、正社員との賃金格差は不当だとする訴訟を係争中の後呂良子さんが、検討会の議論について感想を述べていて、それが印象的だったのでここに引用しておきます。
「問題提起はいいことだが、ポーズを見せるより、まずは非正社員の大変な暮らしぶりを知って欲しい」