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健康確保策、実効性は

高プロの健康確保策についてです(朝日新聞から)。
 
働き方改革関連法案の参院での審議が5日、厚生労働委員会で本格化した。与野党の最大の対立点となっている「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」について「過労死を助長する」と批判する野党に対し、この日も政府は働き手の健康を確保する手立ては十分と強調したが、実効性には疑問が残ったままだ。
高プロは、年収1075万円以上の一部専門職を労働時間規制から完全に外す制度。適用された社員は、4週間のうち4日休めば、残りは毎日24時間働いても企業側は違法にならない。野党や過労死遺族らが導入に反対する最大の理由だ。
これに対し政府は、働き過ぎを防ぐための「健康確保措置」が「一般の働く人に比べてより強い」(加藤勝信厚労相)ため、過労死を防げると説明している。
健康確保のための新たな指標となるのが「健康管理時間」だ。高プロは、企業が適用者の「労働時間」を把握する義務がなくなるため、代わりに企業に働き過ぎをチェックさせるための概念として考え出された。
健康管理時間は、「在社時間」と「社外で働いた時間」の合計。「在社時間」には働いた時間だけでなく休憩や自己啓発の時間を含めることも可能で、企業ごとに決める。タイムカードやパソコンの起動記録などで把握することが原則で、社外で働いた分は自己申告を認める方針。法定労働時間にあたる週40時間を上回った分が月100時間を超えた働き手には、医師と面談させる義務が課される。
しかし、野党は「企業が健康管理時間を不当に短くつけてしまう」と懸念する。適切に記録しないと企業に罰則が科されることもある一般労働者の労働時間と違い、過少に記録しても罰則がなく管理が甘くなりかねないからだ。5日の厚労委でも社民党の福島瑞穂氏が「労働時間を把握しないから問題が起きる」と指摘したが、厚労省から過少記録を防ぐ手立ての明確な説明はなかった。
医師の面談も効果が疑問視されている。その時点で「健康」と判断されると、その後はいくら働いても再び健康チェックを受ける仕組みがないからだ。「月100時間で健康な人も、200時間、300時間だとどうなるか分からない」(国民民主党の岡本充功衆院議員)。「年104日以上の休日取得義務」も、週休2日にすれば足りる計算だ。
健康確保措置には、さらに選択肢から一つを選ぶ「選択型」も上乗せされてはいるが、これにも懸念がある。健康管理時間に上限を設けるという企業に厳しい選択肢がある一方、「臨時の健康診断」という負担が軽い選択肢もある。大半の企業がこの負担が軽い方を選ぶ可能性が高いからだ。
 
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