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2018年3月

「なんなら是正勧告しても」

大騒ぎになっているので、初報を掲載しておきます(31日付朝日新聞から)。
 
裁量労働制を違法適用していた野村不動産の宮嶋誠一社長を呼んで特別指導をした厚生労働省東京労働局の勝田智明局長が30日の定例記者会見で、出席した新聞・テレビ各社の記者団に対し、「なんなら、皆さんのところ(に)行って是正勧告してあげてもいいんだけど」と述べた。企業を取り締まる労働行政の責任者が監督指導の権限をちらつかせて報道機関を牽制したととられかねない発言だ。
過労自殺した男性社員の遺族の労災申請が野村不動産に対する特別指導のきっかけだったのに、個人情報保護などを理由に厚労省はこうした経緯の説明を拒んでいる。会見では、特別指導をした理由や経緯の説明を求める質問が相次ぎ、勝田氏は「お答えできません」「ノーコメントです」などの回答を繰り返した。勝田氏はこうしたやりとりの中で監督指導の権限を行使する可能性に触れた。
発言の真意をただした記者に、「みなさんの会社も労働条件に関して真っ白ではないでしょう」と言及。テレビ局を例に、「長時間労働という問題で指導をやってきています。逐一公表していませんけど」とも述べた。
そのうえで、是正勧告の公表について「全部行使できる」と話した。企業への是正勧告は通常公表しないが、野村不動産への特別指導と同様に、公表するか否かを自分が判断できることを示唆したものだ。野村不動産について質問する報道機関への脅しかと問われると、「そういうことではありません」と釈明した。
東京労働局は30日午後8時半過ぎ、勝田氏の「是正勧告してあげてもいいんだけど」などの発言が「不適切だった」として撤回する旨を、会見に出席した記者にメールで伝えた。広報担当者は朝日新聞の取材に対し、勝田氏が撤回する必要があると判断したと説明している。
東京労働局管内では近年、朝日新聞社や日本経済新聞社、TBSが違法な長時間労働で是正勧告を受けた。記者が過労死したNHKも指導を受けている。

アルバイトの労働条件を確かめよう!

厚生労働省は、今年も「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンを全国で実施するそうです。
労働条件の確認を促すことなどを目的に、クイズ形式のリーフレットの配布等による周知・啓発、大学等での出張相談等を行います。実施期間は2018年4月1日から7月31日。
 
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能力開発基本調査

厚生労働省は3月30日、2017年度「能力開発基本調査」の結果を公表しました。
それによると、人材育成に関して何らかの「問題がある」とした事業所は75.4%。問題点は、「指導する人材が不足している」54.2%、「人材育成を行う時間がない」49.5%、「人材を育成しても辞めてしまう」47.8%など。

再雇用賃金大幅減は違法

時事通信からです。
 
定年を迎える前に再雇用の条件として、賃金を退職前の約25%に減らすと会社が提示したのは不法行為だとして、福岡高裁が慰謝料100万円の支払いを会社側に命じる判決を出していたことが30日、分かった。判決は昨年9月に出され、今月1日に最高裁で確定したという。
訴えていたのは、総菜販売などを行う北九州市の会社で長年働き、2015年3月に定年退職した女性(63)。定年後もフルタイムでの再雇用を希望したが、会社からは定年前の約25%の賃金でのパートタイム勤務を提案された。
福岡高裁は、65歳まで働ける措置の実施を義務付けた高年齢者雇用安定法に基づく継続雇用制度について「定年前後における労働条件の継続性・連続性が一定程度、確保されることが前提ないし原則」と明示。賃金を定年前の約25%にまで大幅削減する会社提案に合理的な理由は認められず、「裁量権を逸脱または乱用したものであり、違法性がある」と指摘した。

みなし労働無効

朝日新聞からです。
 
自動販売機に飲料を補充する社員への「事業場外みなし労働時間制」の適用は無効だとして、足立労働基準監督署(東京)が自販機事業大手、ジャパンビバレッジグループの都内の事業所を行政指導していたことが29日、分かった。
同グループ傘下の「ジャパンビバレッジ東京」足立支店に勤務する30代の男性社員と、男性が勤務する労働組合「ブラック企業ユニオン」が都内で記者会見して明らかにした。
 

ヤマトの違法残業、起訴猶予

朝日新聞からです。
 
宅配便最大手のヤマト運輸(東京)が、博多北支店のセールスドライバー(SD)に違法な長時間労働をさせたとされる事件で、福岡地検は29日、労働基準法違反の疑いで書類送検された法人としての同社と、博多北支店の幹部社員2人を不起訴処分(起訴猶予)とし、発表した。事件が発覚した後、同社が労働時間の管理方法を改めたことなどを考慮したという。
福岡労働局は昨年9月、同社と博多北支店で労務管理を担当していた2人が2016年6月16日から7月15日の間、SD1人に労使協定で定めた1ヵ月あたりの残業時間の上限(95時間)を超える102時間の違法な残業をさせ、この社員を含むSD2人の残業代計15万円分を所定の支給日に支払わなかった疑いがあるとして、書類送検した。
地検は、時間外労働と残業代の未払いを認めた上で、▽事件発覚後、全国的に未払いだった残業代を過去にさかのぼった形で支払った▽労働時間の管理方法を改めるなど実効性のある改善策を講じた▽時間外労働の上限を労使間で定める「36協定」違反が認められた労働者は、この事件で1人――などを考慮したと説明している。
ヤマト運輸は「起訴猶予の事実を重く受け止めている。今後の再発防止はもちろん、労働環境のさらなる改善に向け労使一体となって取り組んでいく」とコメントした。
 

パワハラ防止策、法制化結論出ず

朝日新聞からです。
 
職場のパワーハラスメント(パワハラ)対策を話し合う厚生労働省の有識者検討会が27日、最終会合を開き、報告書をまとめた。パワハラ防止策を法律で企業に義務づけるかどうかが焦点だったが、報告書は法制化と、法的強制力を持たない指針(ガイドライン)の策定の両案を併記するにとどめた。労使が参加する検討会として、実効性の高い対策を打ち出すには至らなかった。
政府は昨年3月にまとめた「働き方改革実行計画」に、パワハラ防止策の強化を検討すると明記。検討会を立ち上げ、昨年5月から10回の会合を重ねてきた。
労働側の委員は法制化を強く求め、学識経験者ら公益委員からも法制化に賛同する意見が多く出た。一方、使用者側の委員は、法制化は経営の足かせになると反論し、法的強制力のない指針を設けて企業の自主的な取り組みを促すべきだと訴えてきた。
法制化を求める意見が大勢を占めたものの、報告書は両論併記にとどめた。今後は厚労相の諮問機関である労働政策審議会(労政審)で具体的に議論し、厚労省が措置を講じるのが適当だとして、法制化の是非には踏み込まなかった。
厚労省内には「パワハラの定義があいまいで、業務上適正な範囲の指導との線引きが難しい」(幹部)として、法制化に否定的な意見が根強い。議論を引き継ぐ労政審で、「野放し」になっているパワハラを防ぐ効果的な対策を打ち出せるかは不透明だ。
損保労連の小保方泰介・中央執行副委員長は最終会合で、「まずはガイドラインという悠長な対応ではパワハラの被害者が増える」と法制化が遅れることに懸念を表明。成蹊大の原昌登教授(労働法)も「法制化への反対意見は『まだ早い』という理由に尽きる。具体例を収集・分析してその疑念を払拭し、一直線に法制化を目指すべきだ」と述べ、労政審の議論を前にクギを刺した。
 

労働時間改善指導・援助チーム

厚生労働省は27日、4月1日から全国の労働基準監督署に、働く人たちの労働条件の確保・改善を目的とした「労働時間改善指導・援助チーム」を編成すると公表しました。
チームは2つの班で編成され、「労働時間相談・支援班」では全国の労働基準監督署内に「労働時間相談・支援コーナー」を設置するなどし、主に中小企業の事業主に対し、法令に関する知識や労務管理体制についての相談への対応や支援を行い、「調査・指導班」では任命を受けた労働基準監督官が、長時間労働を是正するための監督指導を行います。