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2017年12月

28歳過労自死、労災認定

2017年最後の記事も過重労働関連の事件となってしまいました(朝日新聞から)。
 
自動ドア販売・施工会社の男性社員(当時28)が4年前に自ら命を絶ったのは、連続勤務や残業などでうつ病を発症したためとして、東大阪労働基準監督署が労働災害(過労自死)と認定していたことがわかった。認定後、遺族は会社側に賠償責任を問う訴訟の準備に入ったが、会社側は遺族と交渉を重ね、再発防止策や解決金の支払いなどで今月、遺族と合意した。
遺族側代理人で「自死遺族支援弁護団」(大阪市)事務局長の生越照幸弁護士によると、訴訟を経ず企業が過労死・過労自死の責任を認めて謝罪、遺族側と再発防止などで合意した事例では、電通が社員だった高橋まつりさん(当時24)の遺族と合意を交わしたケースがあるが、異例という。
亡くなったのは、自動ドア「NABCO」の販売・施工会社「ナブコドア」(大阪市西区)の社員だった木村大輔さん=大阪府四條畷市。入社6年目の2014年1月に死亡した。
遺族は、木村さんが当時、大型商業施設改装の担当になり、他にも20件以上現場を抱える過重労働の状態だったと主張。東大阪労基署に労災認定を求めた。
労基署は昨年10月、深夜勤務3回を含む12日間の連続勤務があった▽その後、30日間単位の時間外労働が計100時間以上に達した――などと認め、仕事が原因となってうつ病を発症した労災と認定した。
ナブコドアは裁判外で早期和解を図りたい意向を遺族側に伝え、今年7月に社長らが仏前で謝罪。その後、会社は「(木村さんの死は)労働時間や業務の軽減を怠り、漫然と過重労働をさせた結果」と責任を認め、長時間労働防止や職場の支援態勢作りなどに取り組むことを盛り込んだ合意書を遺族側と交わし、和解した。
ナブコドアは取材に「労災認定を重く受け止めている。長時間労働や業務負担について、会社として十分に把握しきれていなかった」と説明。現在は従業員を大幅に増やし、管理職への研修や労働時間を把握するためのシステム構築などに取り組んでいるという。
森岡孝二・関西大名誉教授(企業社会論)は「裁判で会社と遺族が正面から争う展開になれば、遺族は二重の苦しみを負う。過労死問題への社会の視線が厳しさを増す中、今回の(ナブコドアの)対応は迅速な措置といえ、他企業への影響も大きい。企業が日頃から社内で徹底しておくべき内容だともいえる」と話す。

過労死、遺族がいなげやを提訴

これは以前紹介した事件の続編です。やはり過重労働絡みでした(朝日新聞から)。
 
首都圏が地盤のスーパー「いなげや」(東京都立川市)の男性社員(当時42)が2014年6月に脳梗塞で死亡したのは、会社が労働時間の把握を怠って過重労働させたからだとして、男性の遺族は27日、会社に約1億円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。遺族の代理人の弁護士が記者会見し、発表した。さいたま労働基準監督署は昨年6月に男性の労災を認定した。

いわゆる「期間従業員」の無期転換に関する調査

厚生労働省は、大手自動車メーカー10社に対して行った 「いわゆる『期間従業員』の無期転換に関する調査」の結果を公表しています。
それによると、期間従業員の有期労働契約について、更新上限を設けている企業は、10社中10社。
期間従業員の再雇用について、一定期間の無契約期間が必要とされている企業は、10社中7社。また、その無契約期間が必要とされている理由については、法改正の前から一定期間を必要とする運用を行っていたが、法改正によりクーリング期間が6ヵ月とされたことを踏まえて、一定期間を法の規定と合わせる運用とした 企業が、7社中5社。法改正を踏まえて、新たに一定期間が必要とする運用を行うこととした企業が、1社。無期転換ルールが創設される前から6ヵ月としていた企業が1社。

教員の長時間労働に「緊急対策」

朝日新聞からです。
 
林芳正文部科学相は26日、学校現場の長時間労働解消のための「緊急対策」を公表した。文科省が学校現場の負担を増やさないための組織改革を行い、教員の業務範囲や勤務時間の上限について指針を示すほか、学校や教育委員会に意識改革を求める内容。林氏は「看過できない教師の長時間勤務を改善するため、早急に実行していかなければならない」と述べた。
今後作成する教員の勤務時間のガイドラインについては、政府の働き方改革実行計画が残業時間の限度として示した「月45時間、年360時間」を参考にするという。また、組織改革では来年10月の組織再編にあわせて、教職員の仕事量を把握する部署を設け、学校に新たな仕事を求める場合は必要性を事前にチェックする。学校や教育委員会向けの統計調査も整理するという。
学校や教育委員会に対しては、タイムカードや情報技術を使った出退勤時間の管理を促すほか、校長や副校長らが教職員の健康や勤務時間を意識した管理ができるよう、研修機会などを設ける。

記者裁量労働、NHKに指導

朝日新聞からです。
 
NHKは26日、今年4月から記者職に導入した専門業務型裁量労働制に関して、渋谷労働基準監督署から「適切な水準で労働時間を設定すること」とする指導票を受けていたことを明らかにした。14日付。
労基署から改善について具体的な指導はなかったが、NHKは労使間で見直しを検討するという。
NHKは、記者の佐戸未和さん(当時31)の過労死を受け、事業場外労働のみなし労働時間制を改め、今春から新たな裁量労働制の適用を始めた。労使でみなし時間を決めたが、労基署がこの時間が適切ではないと判断したとみられるという。

野村不動産に是正勧告 裁量労働制を不当適用

時事通信からです。
 
東京労働局などは26日、野村不動産(新宿区)に対し、数百人の社員に不当な裁量労働制を適用したとして、是正勧告を出したことを明らかにした。勧告は25日付で、同社の宮嶋誠一社長に特別指導もした。同社は今後、未払いだった残業代についても対応するとしている。
東京労働局や同社によると、対象となったのは本社と関西、福岡など4事業所で働く数百人の社員。主に営業を担当していたが、企画や調査に従事する労働者が対象の「企画業務型裁量労働制」が適用されていた。このため、違法な長時間労働や残業代の未払いが発生していたという。
同社は2005年から同様の運用をしてきたが、今回の勧告を受けて来年4月には裁量労働制を廃止するという。
宮嶋社長は「厳粛に受け止め、適切な労務管理に努める」とのコメントを出した。

ビキニ被曝の労災認めず

朝日新聞からです。

1954年に米国が太平洋・ビキニ環礁などで行った水爆実験で被曝し、がんなどを発症したとして、高知県や宮城県の元船員が事実上の「労災認定」を求めていたのに対し、全国健康保険協会が認定しないと決めたことが分かった。
今回の対象は11人。社会保険庁が廃止される前の船員の労災については同協会が審査する。同協会は病気と被曝の因果関係を調べるため、有識者会議(代表=明石真言・量子科学技術研究開発機構執行役)を設けて検討した。当時の資料などから「健康影響が現れる程度ではない」と結論づけた報告書をまとめた。
元船員らを支援してきた太平洋核被災支援センターの山下正寿・事務局長は「報告書では、申請者側が求めた資料の検討などが十分されておらず、踏み込んで調査しようとしていない」と指摘。再審査を求める方針という。元労働基準監督官で労働災害に詳しい安西愈弁護士は「放射線被曝は科学的知見が十分ではない。政治的な判断も含めて適切な解決が求められる」と話す。
ビキニ水爆実験は54年3~5月に計6回行われ、静岡県のマグロ漁船「第五福竜丸」が被曝。福竜丸の無線長が被曝から半年後に死亡し、広島、長崎に次ぐ第三の被曝として原水爆禁止運動につながった。
 

 

外国人実習生、保護強化図ったが...

朝日新聞からです。
 
劣悪な労働環境への批判が絶えない外国人技能実習生の保護強化策を盛り込んだ技能実習適正化法が先月施行されたが、制度変更のあおりでビザの更新ができない実習生が出るという皮肉な事態が起きている。受け入れ先の監理団体のずさんな対応が主な原因。帰国を余儀なくされた実習生もいる。
「明日、組合が入国管理局に連れて行くから、荷物をまとめておくように」
12月初旬、関西地方の繊維会社で実習生として働く20代のベトナム人女性は、社長から突然こう切り出された。実習生ビザの期限が切れる直前だった。
日本に来て約2年。来年も働き続けるつもりで、ビザ更新の申請書類を11月に渡していた。何度理由を聞いても、社長は「ビザの手続きができなかったら、そのまま帰国することになる」と言うだけだった。
技能実習制度では、主に事業協同組合や商工会が監理団体として実習生を受け入れ、中小・零細企業で実習させるのが一般的。監理団体が届け出制だった旧制度では原則、届け出た団体は実習生ビザを更新できたが、新制度では、新設された「外国人技能実習機構」から適切な団体と認められ、実習生の受け入れを「許可」されないとビザ更新を申請できなくなった。ベトナム人女性を受け入れた協同組合は実習生を受け入れる許可が出ていなかった。
国は制度変更に伴い、11月から来年1月の間に在留期限を迎える実習生を対象に、10月末までにビザを申請すれば旧制度での更新を特例で認めていた。だが機構によると、「申請を忘れていた」などの理由で特例期間中にビザ更新を申請せず、10月までに機構に許可の申請もしなかった監理団体が数十あったという。そのあおりでビザを更新できなくなった実習生は、来年1月までに約100人にのぼるとみられる。
法務省は11月中旬、監理団体から相談があれば、実習生に90日間の短期滞在ビザを取得できると伝えるよう全国の入国管理局に指示した。ただ、実習生は短期滞在ビザでは働けない。機構の許可がいつ出るかも分からないため、費用を抑えようと実習生を一時帰国させる監理団体が多いという。
実習生を支援する愛知県労働組合総連合(愛労連)の榑松佐一議長は「多額の借金をして入国している実習生が多く、ビザの更新ができないのは死活問題」と危機感を募らせる。