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2016年1月

ドン・キホーテ書類送検

大手ディスカウントストア「ドン・キホーテ」(本社・東京都目黒区)が従業員に違法な長時間労働(3カ月で最長約415時間)をさせたとして、東京労働局過重労働撲滅特別対策班(通称「かとく」)は先月28日、労働基準法違反容疑で法人としての同社と支社長ら8人を東京地検に書類送検したそうです。
http://www.donki.com/updata/news/160128_pey9H.pdf

社労士の役割 どう考える

朝日新聞に全国社労士会連合会の大西会長のインタビューが掲載されていたので、転載しておきます。

 
「社員をうつ病に罹患(りかん)させる方法」をブログに書いた愛知県の社会保険労務士が、県の社労士会から処分を受けた。厚生労働省も処分する方向だ。今回のブログ記事や社労士の役割について、全国社会保険労務士会連合会の大西健造会長に聞いた。
■安心できる職場づくり、大原則
――問題になったブログの内容をどう思いますか。
「連合会会長として、全国の皆様に深くおわびしたい。とうてい考えられない内容で、社労士としてどうか、という以前の問題であり、きちんと対処することが組織に課せられた使命だと考えている。昨年12月25日に連合会長として声明を出し、愛知県社労士会も二つの処分を同時に行った。当然の処分だと思う」
――社労士は“企業寄り”だと思われているのではありませんか。
「社労士の役割は、社労士法に定められている通り、『事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資すること』。確かに、社労士は会社側から顧問料を頂いているケースが多い。しかし、会社だけのことを考えていたのでは会社は発展しない。労働者の意向も尊重しなければ、会社が伸びるはずがない。伸びる会社は、労働者が安心して働くことができて、働きがいを感じている会社だと思う。そういう職場をつくるのが労務管理の大原則だ」
――社労士が経営者の意向に逆らうことは無理なのでは。
「経営者の中には『自分が法律だ』という人もいる。社労士がいきなり『それは違う』と指摘すると、経営者のプライドが傷つくし、反発もある。そこをうまくやるのが社労士の仕事。長くお付き合いして、職場環境の改善を支援していくことがだいご味だ」
――一部の社労士が「ブラック企業」を支えているという批判があります。
「4万人いる個々の社労士の業務をすべて把握することは難しいので、100%ないとは言い切れないが、本来であれば、『社長、それはあきまへんで』というのが社労士の役割だ」
――社労士の数が増えています。競争が厳しくて刺激的なことをいう人がいるのでは。
「ここ数年、会員数は毎年約1千人増えている。適度な競争は依頼者の利益につながるが、刺激的なホームページや過度の競争は望ましいことではない。連合会や都道府県会でも、会員のホームページをチェックしており、極端な内容であれば指導している。今回の件も報道以前に把握しており、対応を協議していた」
――昨年4月に改正社労士法が施行されて、業域が広がりました。
「社労士制度は2年後に創設50周年を迎える。業務は一層高度になっている。連合会は業域を拡大することを目指しているが、そのためには、国民から信頼していただくことが大前提だ。今回のようなことがあると、社労士のイメージが落ちてしまいかねない。今後はこういうことがないように、都道府県会と会員に情報発信していきたい」
 

第3回労使関係セミナー

中央労働委員会主催の「労使関係セミナー」(関東地区・第3回)」に出席しました。
基調講演
「労働者派遣制度をめぐる法的課題について」-派遣元・派遣先・派遣労働者の三者関係より生じるトラブル防止の観点から- 野川忍教授
パネルディスカッション(紛争解決事例の検討)
(1)集団労使紛争
 ①団体交渉の実施を求めて争われた事例
(2)個別労働紛争
 ②パワハラ等について謝罪と慰謝料等を求めて争われた事例
労働者派遣については、職安法44条で禁止された労働者供給事業が、厳しい条件を付けた上で合法化されたもの(アムネスティ措置)であるという、ちょっと怪しい出自が理解できました。
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労使で決めた労働審判

元連合会長の高木剛が登場した朝日新聞「証言 そのとき」(労働組合とともに)が終了しました。シリーズの中で一番興味を引いたのは、やはり労働審判制度誕生の場面です。以下に、その部分(労働組合とともに5)を引用しておきます。

――1999年7月に始まった司法制度改革審議会。ゼンセン同盟(現UAゼンセン)会長で連合副会長だった高木さんも入る。
司法制度を見直す場を作るので、労働界からも加わって欲しいという依頼が連合にあったらしい。三役の誰かが行くという話になったら、法学部出身は高木しかおらん、と。
一番のテーマは司法の国民的基盤を高めるための裁判員制度。国民から遠い司法を改善しようということでできたのが法テラスだ。
メンバーの中で、労働の話をするのは私しかいない。個別労働紛争、つまり、労働者一人ひとりが会社ともめた時に短時間で解決できる有効な制度が日本にはないじゃないか、と考えていた。ドイツなら労働参審制、イギリスならET(雇用審判所)がある。
審議会の中間整理のときには、個別労働紛争解決のための仕組みを考えたらどうか、とまで書き込まれた。最終報告では詳しくなったが、それでも「検討対象」にしかならなかった。
その後、内閣に司法制度改革推進本部がおかれ、労働分野の検討会もつくられた。座長は労働法の菅野和夫・東京大学教授(当時、現労働政策研究・研修機構理事長)。委員は学者、弁護士など十数人。労働側は私で、経営側は矢野弘典・日経連(現経団連)常務理事(当時、元中日本高速道路会長、現産業雇用安定センター会長)だ。
■労使、大きな隔たり
――労働紛争を解決する専門の手続きを検討することになったものの、労使には大きな隔たりがあった。
経済界は、もともとある民事調停制度をつかった仕組みを考えていた。我々の考えは、労使代表が事案の審理に加わるドイツ型だ。
菅野先生は「労使が折り合うようにしなければいけない」と言う。話が行き詰まると菅野先生、矢野さんと3人で酒を飲みながら話をした。そういう中で、裁判官に労使から選ばれた審判員が加わる労働審判の骨格ができてきた。
労働審判は裁判じゃない。調停型ではあるけれど、訴えられた経営者が逃げてしまわないルールにしなきゃいかん。経営者が出てこなくても審判は始める。結論に不服なときは裁判に移行すればいい。ただし、裁判に移ったときは、審判の証拠が使えるということにして、経営者を逃がさないようにした。矢野さんが経済界をよく説得してくれた。
菅野先生が最後まで心配したのは、労働側が審判員をちゃんと選べるのか、という点だった。審判員は最初、労使500人ずつ。労働側は、連合以外にナショナルセンター(中央組織)がある。全労連、全労協、それに中立の組合も人数に応じて配分した。連合は430人余り。全労連も了解してくれた。
■厚労省に支援要請
――労働審判制度は2006年4月にスタート。司法制度改革の中でも成功例として評価されている。
みんな初めてだから審判制度を勉強する場をつくらなきゃいかん。厚生労働省に行って、戸苅利和次官(当時、現NPO法人キャリア権推進ネットワーク理事長)に「助けてくれ」と頼み込んだ。戸苅さんは最初「司法制度に金を出せというのは……」と渋ったけれど、結局、「個別労働紛争解決のため」ということで、労働保険特別会計から出してくれた。
労働審判制度は、当初は年1500件ぐらいの想定だった。今は3千件以上扱っている。裁判官が言うには、「労使の審判員の意見がほとんど合う」ということ。労働組合だからといって、むちゃなことをいうわけじゃない。
 

「社員をうつ病にする方法」の社労士処分

続報は、朝日新聞からの引用です。

愛知県内のベテラン社会保険労務士の男性がブログに「社員をうつ病に罹患させる方法」と題した文章を載せた問題で、厚生労働省は、この社労士を懲戒処分する方針を固めた。ブログの内容には批判が相次いでおり、厚労省に社労士を処分するよう求める声が出ていた。
社労士は企業からの労務相談にのる、労働や社会保険の専門家。社労士法は、信用を失墜する行為を禁じており、重大な非行などがあった場合には業務停止などの懲戒処分にできると定めている。所管する厚労省は、2月に男性から意見を聞いた上で最終的な処分を決める方針だ。
問題の文章は昨年11月に掲載。「すご腕社労士の首切りブログ」と題し、社員を「うつ病にして会社から追放したい」という質問に答える形で、「失敗や他人へ迷惑をかけたと思っていること」などを社員に繰り返しノートに書かせるよう勧める内容だった。これに対しネットなどで批判が殺到。文章は削除されたが、愛知県社労士会は社労士の会員資格を停止した。厚労省にも、日本労働弁護団などから「若者使い捨てが疑われる企業に違法行為を教唆する極めて悪質なもの」として対応を求める声が出ていた。

看護職への短時間正社員制度導入支援セミナー

看護職への短時間正社員制度導入支援セミナー(導入準備編)に参加しました。

講義
・短時間正社員制度導入の効果
短時間正社員制度の導入・運用にあたっての留意点
パネルディスカッション
・パネリスト事例発表
・講師からパネリストに対する質問、質疑応答、まとめ
 
福岡県済生会二日市病院と南東北春日リハビリテーション病院の事例はとても参考になりました。
 

「解雇無効」認める判決

朝日新聞からの転載です。

大王製紙(愛媛県四国中央市)を懲戒解雇された男性(52)が解雇は無効と同社を訴えた訴訟で、東京地裁(鷹野旭裁判官)は14日、解雇は無効と認めたうえ、解雇後の給与の支払いを命じる判決を言い渡した。
判決によると、2013年、男性は上司に会社の不正を内部告発したことを理由に降格処分を受けた。その後、男性は関連の物流会社に出向させられたが、出向先に勤務せず大王製紙に懲戒解雇された。
判決は、同社の降格処分は「無効といえない」とする一方、経験がほぼない物流部門に出向させたのは「あまりに不相応で、出向命令権の乱用だ」と指摘した。

老人福祉・介護事業の倒産状況

東京商工リサーチが、2015年の「老人福祉・介護事業」の倒産状況を発表しています。
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20160113_07.html

倒産は76件で、前年(54件)に比べて4割増となり、介護保険法が施行された2000年以降では過去最多になっています。
介護職員の深刻な人手不足問題を抱えながら、業界には厳しい淘汰の波が押し寄せているようです。